四書五経とは,「論語」,「大学」,「中庸」,「孟子」の四書,および「易経」,「書経」,「詩経」,「礼記」,「春秋」の五経を指します.四書は儒学を志すものが必ず学ばねばならぬとされた書籍,五経は儒教の経典です.いずれも,生き方について何かを与えてくれるでしょう.
いま,大学院を卒業して既に10年以上が経過する私の頭の中を駆け巡っているのは,論語の次の言葉です.
『子曰く,年四十にして悪まるるは,其れ終らんのみ.』
『子曰く,後生畏るべし.焉ぞ来者の今に如かざるを知らんや.四十五十にして聞こゆること無くんば,斯れ亦畏るるに足らざるのみ.』
ちょうど私の年齢ぐらいの人達には,とても耳が痛い言葉だろうと思います.それぞれ,以下のような意味です.
孔子が言われた,「人間,年の四十にもなって,人から見切りをつけられるようでは,もうお終いである」と.
孔子が言われた,「後輩・後進というものは大いに畏敬しなければならない.後から来る者がどうして今の先輩に及ばないということがわかろうか.しかし如何に有望な後生でも,四十五十になって世間の評判にならぬようならば,これは畏敬するに足らない」と.
ブログでも「四十歳に近付いた身に染み入る言葉」と題してコメントしてあります.
四書五経入門―中国思想の形成と展開 著者: 竹内 照夫 優れた書籍であるが,やはり,古典を読むのは難しいもの.平易な入門書から入るのが良いかも. |
人生に生かす易経 著者: 竹村亞希子 難解な易経を初心者向けに解説した入門書. |
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易経 翻訳: 高田眞治, 後藤基巳 本格的な易経の翻訳と解説.上下巻. |
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春秋左氏伝 翻訳: 小倉芳彦 春秋左氏伝は,春秋の解説で,春秋時代(前722‐481)を中心とする中国古代の史伝説話の宝庫です. |
論語 翻訳: 金谷治 孔子とその弟子たちの言行を集録したもの.人間として守るべき,また行うべき,至極当然のことが簡潔な言葉で記されている. |
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論語に学ぶ 著者: 安岡正篤 生き方の指針として親しまれてきた古典である論語.孔子の言行を比較的平易な言葉でまとめた論語は,多くの金言名言の出典ともなってきたが,その教えを実践することは難しい.本書は,論語を自らの生活に活かし,心を高める糧とする方途をわかりやすく解説した講話録. |
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大学・中庸 翻訳: 金谷治 天下国家の政治もその根本は一身の修養にあることを説く大学.人間の本性とは何かを論じ,誠の哲学を説く中庸.両者の本格的な翻訳. |
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孟子 不安と混迷の時代だからこそ 著者: 安岡正篤 王道政治・民意尊重を理念として掲げ,国と人のあるべき姿を追究した孟子.本書は,良心・良識を重んじ,敢然と生きることの大切さを披瀝した講話録. |