毎年,非常に優秀な学生が研究室に来てくれます.京都大学だから優秀ということではなく,その中でも特にできる学生が希望してくれることを大変ありがたく思っています.工学研究科・工学部なので,4回生で就職する学生は希で,ほとんどの学生は大学院修士課程に進学し,その後,就職していきます.
今でも学校推薦という制度が強固に残っており,誰でも知っているような大企業に比較的容易に就職できる恵まれた環境にあります.しかし最近は,学校推薦に頼らずに就職活動を行ったり,外資系を志望する学生が増えているように感じます.学生が自立してきたと取れば,好ましい傾向と言えるでしょう.しかし,彼らの就職に対する,働くということに対する認識には,もちろん個人差が非常に大きいのですが,敢えて言うと,まだまだ検討する余地があるのではないかと感じます.
日本の将来を担うべき人材であると信ずるが故に,彼らには,もっと高い次元で考えられるようになって欲しいと思います.そのためには,人生について,生き方について,もっと深く考える必要があるでしょう.
何のために働くのか 著者: 北尾吉孝 著者はSBIホールディングス代表取締役CEOである.昨今,投資銀行やコンサルティングファームを志望する学生が増えている状況(当研究室の事情)下で,彼らに薦めやすい本だと言えよう. 平易に書かれており,本書を通して,人間として成長するために仕事に打ち込むのだという考え方に触れると良いのではないかと思う.本書に接して,中国古典に興味を持つというのも良いだろう. 就職活動を始めるようになったら,読んで欲しい一冊である. |
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ,成長するか 著者: P. F. ドラッカー 組織で働く知識労働者として成果をあげ,成長するための考え方を説く.必読書として推奨.
などが具体的に記されている. |