自分自身をより良くしようという気持ちを失ったら，そこで人としての成長は止まります．年齢，性，肩書き，財産，そんなものとは関係なく，人として生きている以上は，自分自身をより良くしようという気持ちを持ち続けたいものです．
ここで紹介する書籍は，私自身が読んで本当に良かったと心から思えたものばかりです．そのように思えた本は，数字で表現すると，就職してから読んだ本全体の２％以下です．この数字から，厳選されたものであることがお解りいただけると思います．
 |
自省録 著者： Marcus Aurelius ローマ帝国五賢帝にも数えられる優れた皇帝であると同時に，哲学者でもあったマルクス・アウレーリウスが著したものです．もともと書籍とするために書かれたものではなく，マルクス・アウレーリウスが自分のために書き記したメモのようなものです．それだけに，深く自分の心に突き刺さるものがあります． 信仰心が厚く，哲学者でもあり，自己を愛すると同時に自己に厳しく，自分以外のものすべてに愛情をもって接する，そのような人物であったマルクス・アウレーリウスによって書かれた自省録は，いかに生きるべきか，という問いに答えを与えてくれます．善い精神を持つ者によって書かれたということを強く感じさせる，類い希な本です． 本書の素晴らしさは読んだ者にしかわかりませんが，文を２つだけ引用しておきます． 「名誉を愛する者は自分の幸福は他人の中にあると思い，享楽を愛する者は自分の感情の中にあると思うが，もののわかった人間は自分の行動の中にあると思うのである．」 「善い人間の在り方如何について論ずるのはもういい加減で切り上げて，善い人間になったらどうだ．」 一冊だけ本を選べと言われれば，私はこの本を選びます． |
 |
「原因」と「結果」の法則 著者： James Allen デール・カーネギーやナポレオン・ヒルなど成功哲学の著名人に多大な影響を与えた書であり，自己啓発書の原点とも言えるものです．人間は思いの主人であり，人格の制作者であり，環境と運命の設計者である，ということをジェームズ・アレンは説いています．つまり，自分の人格はもちろん，自分を取り巻く環境や事の成否はすべて自分の思いの結果であるが故に，高貴な思いとビジョンを持ち，それに従って行動しなければならないのです． 自己啓発書を読もうと思うのであれば，まずは，この本から． |
 |
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか 著者： Peter F. Drucker 現代マネジメント思想の巨人として高名なドラッカーの著作です．それまでの代表的な著作からエッセンスを抜き出し，ドラッカー自身が加筆・削除・修正したもので，組織で働く知識労働者として成果をあげ，成長するための考え方を示しています．組織で働く知識労働者の必読書として推奨します． 本書に記されているドラッカーの言葉を，いくつか引用しておきます． 「今後ますます，組織は，成功してきた製品，方針，行動について，その延命を図るのではなく，計画的な廃棄を行わなければならない． 」 「今日，知識労働者の仕事はますます分散しつつある．知識労働を実際に組織で行っている人達は，仕事や給与にはほとんど関係がなく，かつほとんど意味のない余分の仕事を課されて，忙しさを着実に増大させている．知識労働者の仕事は，充実するどころか不毛化している．当然，生産性は破壊される．」 「人は，何によって人に知られたいかを自問しなければならない．さらに，その問いに対する答えは，年をとるにつれて変わらなければならない．そして，本当に知られるに値することは，人を素晴らしい人に変えることである． 」 「成果を上げるための秘訣を１つだけあげるならば，それは集中である．」 「成果を上げるためには，教科書のいうような意見の一致ではなく，意見の不一致を生み出さなければならない．成果を上げる者は，意図的に意見の不一致を作り上げる．そうすることによって，もっともらしいが間違っている意見や，不完全な意見によって騙されることを防ぐ．」 |
 |
人を動かす 著者： Dale Carnegie 人間関係の古典として，また自己啓発本の原点として知られるデール・カーネギーのベストセラー著作です． 良い人生を送るために，どのように人に接するべきか．人を味方にし，友を増やし，心豊かな人生を送るために，どのように人に接するべきか．この本には人心掌握の原則が，人を動かす三原則，人に好かれる六原則，人を説得する十二原則，人を変える九原則という形でまとめられています．豊富な具体例を交えて書かれているため，非常に説得力があり，読みやすくなています． 人間関係を断って生きていくことはできない以上，読むべき書物として推薦します． 人を動かす三原則のみ，以下に紹介します． １．批判も非難もしない．苦情も言わない． ２．率直で誠実な評価を与える． ３．強い欲求を起こさせる． |
 |
話し方入門 著者： Dale Carnegie 偉大なる投資家ウォーレン・バフェットも受講したという，デール・カーネギーの話し方講座のエッセンスをまとめた書籍です．デール・カーネギーといえば、大ベストセラーとなった「人を動かす」が非常に有名ですが，本書も名著として広く知られています． この話し方入門には，タイトルの通り，人前で上手に話すための秘訣が書かれています．とは言っても，単なるハウツウではありません．人に伝えたいと切望するものがあること，周到に準備をすること，練習に練習を重ねて，自信を持つこと，始め方と終わり方に注意すること，わかりやすく話すこと，そして，美しい言葉を身に付けることなどが挙げられています．人前で話すことの重要性を認識し，上手に話せるようになりたいと願う人には大いに役立つでしょう． 人前で話すことが仕事である，または仕事の一部であるという方にとっては，必読の書です． |
